当院では近視進行抑制を目的としたレッドライト治療を行っております。
レッドライト治療について
2014年、偶発的に赤色光(650㎚の長波長の光)が眼軸の近進行の原因とされる眼軸の伸びを抑制する効果を持つことが発見されました。
その後、データの集積がなされると2021年米国の眼科学会誌で発表され、レッドライトが近視進行抑制に極めて効果が高いことが証明されました。
現在、世界30か国以上で医療機器として承認されており、すでに16万人以上の小児に使用されています。

レッドライト治療のデバイスについて

オーストラリアのEyerising International社製の「Eyerising」を使用し、治療は1日2回、1回3分間、週5回の照射を行います。
眼底の血流量が増大し脈絡膜厚が増して、眼軸の伸びと近視進行の抑制する効果が証明されています。
2022年 Yu Jiangらの報告によると、コントロール群に対して1年で76.6%抑制、コンプライアンス良好群では87.7%の近視抑制効を示したとされています。
今後も長期的な検討が必要な部分もありますが、日本においても東京医科歯科大学(現東京科学大学)が臨床研究を行っています。
使用方法動画
この機器を使用しても治療はRLRL療法(Repeated Low-Level Red-Light therapy)と呼ばれています。
※本デバイスは日本国内未承認の医療機器です。
レッドライト治療の適応条件・禁忌
適応条件
- 年齢:当院では6歳以上を対象とさせていただきます。
- 対象:軽度近視 ~ 強度近視
禁忌
- 斜視と診断された方
- どちらかの眼に視機能異常がある方
- どちらかの眼に眼球異常がある方
未熟児網膜症・網膜剥離・網膜芽細胞腫などの網膜疾患 - 黄斑ジストロフィー・先天性停止性夜盲、あるいは網膜色素変性症などの遺伝性網脈絡膜疾患がある方(家族歴がある方も対象)
- 瞳孔散大(明室下の瞳孔が4mm以上)の方、またはアトロピン・シクロペントラート・トロピカミドなど瞳孔散大を引き起こす可能性のある薬剤を投与した後
※マイオピン(低濃度アトロピン点眼治療)との併用は不可。
(レッドライト治療開始の最低2週間前には中止する必要あり)
※EDOF(多焦点ソフトコンタクトレンズ)による近視抑制治療との併用は可能です。併用することで近視抑制効果が増すという報告があります。
副作用・注意点
- まぶしさ
- 閃光盲
- 残像

3分以上眼を閉じていても5分以上症状が持続することが3回以上確認された場合は、使用を中止し眼科医に相談してください。
また、上記以外でも治療中に光過敏症・眼刺激・眼熱傷などの不快感が生じた場合も同様に使用を中止し眼科医に相談してください。
レッドライト治療の流れ

治療の費用
本治療は自費診療となる為、保険診療は適応されません。
学校検診などの精査や眼鏡合わせなどで健康保険を利用される場合は、同日に本治療における検査はできませんのでご了承ください。
初年度 | |||
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〇事前適応検査費 視力検査、スリット検査、眼軸長検査、OCT検査、眼位検査、瞳孔径チェック |
¥16,500 | ||
〇器械貸与 お支払い(返金不可) |
¥132,000 | ||
〇定期検査 治療開始後 1、3、6、9、12か月後 1来院につき(3カ月毎) |
¥6,600 | ||
〇サブスクリプション料金 サブスクリプション料金の支払いはクレジットカード払い(JCBは不可)のみとなります。 毎月の使用状況(コンプライアンス)を確認するために、毎月必要な費用。 |
¥8,250 |
2年目以降 | |||
---|---|---|---|
〇定期検査 1来院につき(4カ月毎) |
¥6,600 | ||
〇サブスクリプション料金 サブスクリプション料金の支払いはクレジットカード払い(JCBは不可)のみとなります。 毎月の使用状況(コンプライアンス)を確認するために、毎月必要な費用。 |
¥8,250 |
※上記費用はすべて税込み価格です。
デバイスの貸与・保証
デバイスの貸与
デバイスは医療機関から貸与します。
第三者への譲渡・貸与・転売は固く禁止いたします。
デバイスの保証
- デバイスの耐用年数、保証期間は製造から5年間です。
- 耐用年数経過後も治療継続を希望する場合は、新しいデバイスを無料で提供いたします。
- 保証期間中に正しい方法で使用したにもかかわらず、製品の故障が発生した場合は、保証が受けられます。
- 以下の事由により故障が発生した場合の修理は保証の対象外となります。
- 損傷、落下、機械的な損傷、水の浸入など、偶発的な要因や人的な要因などによる故障
- 不可抗力(落雷、地震、火災、その他の天災)による損害
- デバイスに貼付されたステッカーが取り除かれたり、拭き取られたり、こすり取られたり等、変更されている場合も保証の対象外となります。
※製品の保証に係る最終的な判断はメーカーが決定する権利を有しています。
受診医療機関を変更される場合
転居などで受診する医療機関を変更される場合はデバイスを返却していただく必要がありますので、必ず当院までお申し出ください。その後、次の医療機関が設定する費用のもとで新たにデバイスの貸与を受ける必要があります。ご了承ください。
尚、サブスクリプション期間が有効の場合は、メーカーへ依頼し新しいデバイスに引継ぐことが可能です。
短期留学などで海外へ持ち出しする場合
本デバイスは100V~240Vまでの電圧に対応していますので、ほとんどの国で使用することが可能ですが、渡航先のコンセントに対応する変換プラグが必要です。なお、渡航先への持ち込みが可能かは、事前にご自身で航空会社(旅行代理店)への問い合わせや、各国の制度の確認が必要となります。回答に時間を要する場合もありますので、期間に余裕を持ってご確認ください。
その他
- 治療に関するご質問は当院までお問合せください。
- 機器の操作、カスタマーポータルサイト等に関するご質問は 販売代理店 へお問合せください。(カスタマーサポートは販売代理店のシンガポールEye-Lens社が行います。)
- メールのみの対応になります。
- お問い合わせの際は、メール内に当院名と患者様のお名前をご記載ください。
- ポータルサイトに登録されたユーザー情報(クレジットカード情報は除く)は、メーカーが指定する販売代理店、メンテナンス事業者も閲覧が可能となりますので予めご了承ください。
- Eyerising Myopia International Device のご利用条件を予告なしに変更することがあります。
よくあるご質問
そのほか、治療に関する質問は、当院の視能訓練士までお問合せ下さい。
事前適応検査は診察以外に治療についての説明・カウンセリングをおこないますので、1~2時間要します。
※完全予約制です。
問い合わせ先
- 治療についてご不明な点があれば、当院までご連絡ください。
- TEL:075-873-5060